ブログやコンテンツのテーマを決め、それを届けたいターゲットを確定したら、いよいよ記事づくりです。
しかし、記事を書くにしても、ただテーマに沿って何となく書くのでは意味がありません。
検索者が使うキーワードにちゃんとヒットするように、SEOという手法を用いる。検索者が読みたいと思うようなタイトルや見出しを付ける、といった幾つかの注意点に沿って書くことにより、関心を引きやすく読みやすい文章ができあがります。
今回は、ライティングにまつわる注意点について、説明していきます。
キーワード設定
前回、ターゲットを決める際には、検索者がどんなキーワードを使って検索をしているのかについて、分析しましょうとお伝えしました。
WEB上で、ユーザーに対して何かしらの情報を提供する際には、『キーワード』が非常に重要なポイントになります。
それは、ブログやコンテンツを作るときも同様です。それぞれに決めた『テーマ』を分解すると、幾つかのキーワードがテーマを構成していることがわかります。
たとえば、旅行ブログを作るとき、国内なのか海外なのかという選択肢が最初に挙がります。
この『国内』『海外』というのもキーワードですし、『旅行』というのもキーワードです。
国内旅行専門のブログサイトにする場合、そのブログがどんなブログなのか、具体的にする必要があります。それは、北海道から沖縄までの全ての地域を網羅するのか、それとも観光客が多い関東や関西の主要都市に限定するのかといったものです。これらもまた、テーマとして決めていくことになります。
これらテーマとなる要素には、『北海道』や『沖縄』『地域』『観光客』『関東』『関西』『主要都市』といった語句があります。これらはユーザーにとっての検索対象になるもので、どれもキーワードです。
このことからもわかるようにキーワードとは、ユーザーの検索意図を現す語句そのもの。ですから、どんなキーワードを使うかによって、検索結果にヒットしやすくなるかどうかも変わってくるのです。
ユーザーが使わないキーワードを使用すれば、ヒットしづらくなり、大量アクセスは見込めません。
ですが、これも見方を変えれば、
- 検索に使われやすい言葉は検索率が高いために競合が多く、
- 検索に使われにくい言葉は検索率が低いぶん競合が少ないニッチな市場
になるということです。
どちらを選ぶのが正解で、どちらが不正解ということはありませんから、ご自身がどんなブログを作りたいのかによって、そこは吟味して選択をなさるといいでしょう。
キーワードの設定には、ターゲット設定やコンセプトが関係してきます。これら3点は常に相関的な関係になくてはなりません。
いずれかが他の要素との関係を失えば、読者へ訴求することは叶いません。
たとえば、ターゲット設定とコンセプトに相関関係があっても、キーワードがこの2つの要素と相関的な関係になければ、検索にヒットしません。
また、ターゲット設定とキーワードに関連性があっても、コンセプトがマッチしていなければ、何のブログなのか、あるいは何のコンテンツなのかが曖昧になり、読者への訴求力が弱まります。
コンセプトとキーワードが一致していても、ターゲット設定がズレていれば、訴求するポイントが変わってきます。
つまり、コンセプト、ターゲット、キーワード、この3点が相互に作用することによって、ターゲットユーザーに響く情報が提供できるということです。
キーワードは、「どんな情報が求められているか」から決める
前回のターゲット設定では、Google検索の結果から遡り、読者の人物像をあぶり出すことにより、ターゲットの人物像を決めると説明しました。
このとき、読者はどんなことに関心を抱き、どんな情報を求めているのか、そのキーワードから読者ニーズを把握することについても触れました。
その際に、サジェストキーワードなどの関連キーワードについても説明をしましたが、キーワード設定では、このサジェストキーワードに当たる部分を決めていきます。
ここでは、ターゲットの属性から思考や行動パターンを読み解き、どのようなキーワードがターゲットに響くのかを考えていきます。
たとえば、あなたがこれから作るブログが『酒』に関するブログだとしましょう。
■□ブログテーマ:「大人の男が喜ぶ酒を紹介」
■□コンテンツテーマ:「デキる男の酒」
■□ブログターゲット:
- 30代前半男性(32歳くらい)
- 独身
- 都内で一人暮らし
- 自炊派
- 現金派(ただし、仕事で立替時のみクレカ使用)
- 年収400万円前後
- 営業職
- 現在恋人なし(過去の交際歴あり。好きな女性なし)
- 恋愛への関心あり
- 結婚願望あり
- 喫煙者
- 酒が好き
- スポーツ好き(観戦・プレイ共に)
■□ここから導き出されるターゲットの思考や行動のパターンを挙げてみると:
(a)仕事帰りにバーや居酒屋にふらりと立ち寄ることがある
(b)自宅近辺で酒も飲めて、夕食代わりに食事ができるところを開拓したい
(c)仕事で接待のときにつかう店を確保している(クレジットカード可)
(d)仕事の接待でつかえる店を常にチェックしている。(クレジットカード使える店限定)
(e)女性との出逢いがありそうな店に行く
(f)女性との出逢いに繋がりそうな店を他にも開拓したい
(g)スポーツ観戦が楽しめるバーで行きつけの店がある
(h)スポーツ観戦が楽しめるバーを他にも開拓したい
(i)煙草が吸える飲食店で酒が飲める店の情報が欲しい
などのように、複数あります。
ここから、今回のコンテンツテーマ「デキる男の酒」と合致するパターンを選ぶなら、
(c)仕事で接待のときにつかう店を確保していると
(d)仕事の接待でつかえる店を常にチェックしている。(クレジットカード使える店限定)が当てはまります。
このうち(c)は既に情報を持っている状態。
(d)は、これから情報を得ようとする状態。
ですから、コンテンツを提供する相手としては(d)がマッチするということになります。
次に、パターンから導き出される語句を挙げていきます。
(d)の場合…仕事、営業、接待、酒、味、予約、バー、クラブ、スナック、ラウンジ、居酒屋、飲食店、クレジットカード、種類、使える、可能
ブログキーワードがメインキーワードになるので、『酒』を省いた語句が関連キーワードになります。
しかし、全ての関連キーワードを1つのコンテンツの中に収めてしまうと、雑然として、深みのない浅く広くの内容になってしまいます。それでは、ユーザーが読んでも何の発見もない、中身の薄い内容でしかありませんから、離脱する原因になります。
離脱を防ぎ、ユーザーが読んでよかったと思える内容にまで落とし込むためには、深く狭い内容にまとめることが大切です。
その指針となるのが、これらのキーワードです。
そこで、抽出したキーワードから2~3つに厳選し、
ブログテーマのキーワード『酒』と合わせた3~4つのキーワードに厳選します。
キーワードを絞り込むことによって、コンテンツの内容をどう狭めればいいのかが見えやすくなります。
例えば、キーワードに『酒』『接待』『ラウンジ』『クレジットカード』を使った場合、その内容は「接待でつかうラウンジはクレジットカードが使える店」に限定できます。
すると、多くのキーワードを使うよりも、より詳細にコンテンツの内容を作り込むことができます。
ターゲットが検索をするときには、必ず理由があります。
- 何かを調べようとしている。
- 何かの情報を得たい。
- 何かを確認したい。
その理由は、ターゲットが抱える問題そのもの。
コンテンツをより狭く、より深く
ることによって、ターゲットが求める答えへ近づけることができます。
キーワードには、メインとサブがある
『酒』のキーワードはブログテーマの語句でもあるので、扱いはメインキーワードとなります。次いで、ターゲットの行動パターンから選んだ2つのキーワードは、検索語句として関連キーワードとなり、扱いはサブキーワードになります。
サブキーワードを2~3つと絞っていますが、この数でないといけないわけではありません。ですから、必要であれば4つめ5つめ…とキーワードを増やしても構いません。
ですが、キーワードを増やす場合は、全てのキーワードに相互関係があることが前提です。
たとえば、『バー』『ラウンジ』『スナック』『居酒屋』であれば、共通語句には『酒』があります。
ここで『酒』なら『接待』も関連するのでは?と思う方もおられるかもしれません。
営業職の人であれば経験があると思いますが、接待には飲酒機会もあれば、ゴルフ、将棋など相手の趣向に合わせたものを選びます。
『接待』と『酒』の関連性を深めるならば、他の関連キーワードで『酒』に関係する語句を使うことです。そうすることにより、『接待』と『酒』の相互関係が強くなり、検索結果にヒットしやすくなります。
つまり、検索キーワードの数と検索結果で表示されるWEBサイトの数は反比例するということ。
検索キーワードが少ないと、その語句に合致するWEBサイトが無数に存在します。逆に、検索キーワードが多いと、その語句に合致するWEBサイトに限定されるため、検索結果に表示されるWEBサイトは少なくなります。
広い的に矢を射るのは簡単ですが、的が小さくなるほど矢を射るのは難しくなる。これと同じことが起こるのです。
キーワードを設定するときには、使用する語句の数も重要なポイント。
ところが、ここで誤解されがちなのが、一度使ったキーワードは別のコンテンツで使ってはいけないというものです。
アクセスアップを狙うなら、キーワードは何度も同じものを使いましょう。
『酒』『接待』『ラウンジ』というキーワードを使って、1つのコンテンツをつくったあとは、再び同じキーワードを使って、別のコンテンツを作って良いということです。
なぜ、メインならずサブキーワードまでも使いまわしていいのか?
それは、同じキーワードを持つコンテンツが幾つもあると、ユーザーが検索して訪問してくるための間口が広がるからです。
たとえば、1つのコンテンツが『酒』『接待』『ラウンジ』のキーワードを使った場合、別のコンテンツでキーワード『予約』を追加すると、次のようなコンテンツを作れます。
- 1本目のコンテンツの内容…接待でつかうラウンジについて
- 2本目のコンテンツの内容…1本目の予約について。
このように同じ情報を扱っていても、ユーザーが求めるものに対してきめ細かく対応できるため、結果としてユーザーが満足しやすい内容の提供ができます。
サブキーワードを何度も使うことによって、コンテンツ間の関連性も高くなり、ユーザーの内部巡回を促すことへ繋がります。
メインキーワードは、ブログテーマに関わることですから、動かしてはいけません。ですが、コンテンツごとにキーワードを設定することにより、たった1つの情報でさえも多角的に表現できます。
このように、それぞれのコンテンツで1つの事柄を深めていけば、ブログ内容は自然と充実したものになっていきます。
また、そうすることにより、ユーザーが抱える問題を解決可能なコンテンツの提供ができます。
また、コンテンツごとに設定するキーワードを、それぞれのコンテンツに関係させておくことによって、ユーザーの有益性も高まります。
キーワードを設定するときには、こうしたことも意識しておくと、コンテンツをスムーズに作ることができます。
まとめ
- テーマを分解すると、キーワードに繋がる
- コンテンツのキーワードは、ユーザーの検索意図を現す語句
- どんなキーワードを使うかにより、検索結果のヒット率が変わる
- 検索率が低いキーワードは、競合が少ないニッチな市場
- キーワードは、コンセプトとターゲットの2点とそれぞれ相関関係にあること
- どんなキーワードがターゲットに刺さるかは、ターゲットの思考や行動パターンによる
- キーワードは、ターゲットの思考や行動パターンから抽出される語句から厳選する
- キーワードを絞り込めば、コンテンツ内容も深く狭く作りやすい
- キーワードにはメインになるものと、サブになるものに分けられる
- メインキーワードは、ブログテーマと合致させる
- サブキーワードは、Google検索のサジェストキーワードに当たる
- 検索に使うキーワード数と検索結果のWEBサイト数は反比例する
- 関連キーワードは、何度もブログ内で同じ語句を使うこと
- 同じキーワードを持つコンテンツが多いと、アクセスの間口が広がる
- 重複してキーワードを使うことによって、1つの情報を多面的に伝えられる
ここまでできたら、早速ライティングに手を付けたいところ。
ですが、その前に設定したキーワードをどう使うかというのも考えておかなくてはいけません。
次回以降は、キーワードをどう上手くコンテンツ内に散りばめ、ユーザーの目に触れるようにするのかについて説明をしていきます。
Originally posted on 2018年4月12日 @ 12:02 PM