現在、世界では毎日1,440億通以上のメールが送信されていると言われています。
メールマーケターとしては、どうやって自分のメールをほかのメールから際立たせることができるかを、常に考える必要があります。
ここで、受信ボックスの中でメールを際立たせて受信者の注意を惹き、販売を成功させるための、3つのメールマーケティング戦略をご紹介しましょう。
漠然とした、短い見出し
メールマーケティングでのメールの見出しには、受信者にメールを〝開封させる″という、重要な役割があります。
言うのはたやすいことですが、実行するのはそう簡単ではありません。メールマーケティング・ソフトのMailChimpによると、メールの開封率は、すべてのメジャー産業で17~28%だそうです。
つまりメールを開封するのは、4人に1人だけということになります。受信者が実際に読んだり、クリックしたりする確率はさらに低くなります。
これからもわかるように、見出しを最適化することが、購読者にメールを実際に読ませるための第一ステップなのです。
それでは見出しはどうすれば最適化できるかというと、見出しを作る時に、重要な2要素を覚えておけばいいのです。それらは、「短くすること」と、「漠然とさせること」です。
この方法で大成功した例に、オバマ大統領の最初のキャンペーンがあります。
このキャンペーンで調達された約6億9千万ドル(約725億円)のうちの大部分は、メールマーケティングを介して集められたものでした
そしてそのメールの見出しは「Hey(ちょっと!)」でした。
このキャンペーンのメールの見出しは、本当にそれだけだったのです。なぜそれがそんなにうまく機能したのでしょうか。そこには人間の心理が働いています。
ふつう誰でも、友人や家族、同僚から送られてくるメールは開封するでしょう。それと同じことです。
「Hey(ちょっと!)」という見出しは、友達が「ちょっと言いたいことがあるんだけど」と語りかけているようです。
あなたも次のキャンペーンでは、見出しを短く、漠然としたものにして、開封率が上がるのを試してみてください。
オファーを含んだ、ミックス・コンテンツ
メールマーケティングはもう死んでしまったと、これまで何回も言われてきました。
しかし、メールマーケティングは決して死んではいません。そしてこれからも、死ぬことはないでしょう。
それはなぜかというと、電子メールはデジタルマーケティングの中で、一番投資対効果が高いからです。
なぜならメールは、ターゲットの消費者へ最も低価格で、しかも直接到達することができる唯一の方法だからです。
実際、ダイレクトマーケティング協会 (the Direct Marketing Association) は、メールマーケティングの投資収益率は4,300パーセントだとしています。
電子メールは死んではいないのですが、メールマーケティングの栄光の日々は過ぎ去りました。ここで私が言うのは1990年代の、マーケティング担当者がクーポンなどのオファーを次々にメールで送り出していた時代のことです。
それは効果的で、当時のマーケター達はこの手法で大きな収益を上げていました。
しかし今ではこれは通用しません。メール受信者がスパムメールに敏感になっているからです。今ではフィルタが、受信ボックスをクリーンに保っています。不要なメールから消費者を守ってくれるCAN SPAM Actなどの法律もあります。
そのような妨げの中で、どうすれば電子メールをより強化することができるでしょうか。
それにはとても簡単な方法があるのです。クーポンや割引取引に加えて、「価値あるコンテンツ」を含めたキャンペーンをすればいいのです。
もしキャンペーンが「売れ、売れ」だったら、消費者を確実に飽きさせてしまいます。コンテンツ自体が価値を持ったものでなければなりません。
コスト面から見た場合、既存の顧客を呼び戻す方が、新しい顧客を開発するよりも安く済みます。
そして既存の顧客を失わないためには、常に彼らをワクワクさせておかなければなりません。ここがコンテンツの出番です。コンテンツを、売るためではなく、顧客を教育するために使いましょう。そのためには、
- 興味深い業界記事のトップ10をリストアップして、ニュースレターなどに挿入しましょう。SaaS企業のMOZは、彼らの「MOZトップ10」ニュースレターで、これをよく実現しています。
- あなた自身のブログコンテンツと、キューレートしたコンテンツを、メールに盛り込みましょう。eコマースストアのHuckBerryは、メールでこれを最高に実現しています。
- メールの種類によっては、セールスではなく、読者の教育を最優先させましょう。高級スキンケア製品を販売しているYon-Ka Parisは、消費者教育にこの戦略を使い、彼らの製品に加えて、トリートメントオプションも提供しています。
すべてをテストする
メールでは、ほぼすべてをテストすることが可能です。フィードバックも瞬時に受け取ることができます。これを基に、キャンペーンを絶えず向上させられます。
まず最初に「スプリットA/Bテスト」をしてみましょう。2~3種類のメールのバリエーションを送ってみて、それぞれへの受信者の反応を記録します。
メールマーケティング・キャンペーンでテストすべきことは、以下の3点です:
- 見出し:上記したように、見出しはとても大切です。メールの「扉」としての見出しが最適化されていないと、誰もそれを開けようとはしないからです。長さの違う見出しのバリエーションを試してみましょう。違う字体を使ったり、絵文字を加えてみるのも手です。
- デザイン:伝統的なデザインから大きくかけ離れたデザインをキャンペーンで試してみると、大きな成果が表れることがあります。色から、表現方法までを変えてみましょう。その結果に驚かされるかもしれません。
あなたが今のデザインに満足していたとしても、読者はそうでないかもしれません。違ったバリエーションの色、ボタン、グラフィックをテストしてみる価値は十分あります。
- 送信日と時間:ある調査では、週末に送られたメールの方が、週の途中のメールよりも良い成果を出しています。時間帯では、午後8時から深夜0時までがメールの送信に最適な時間のようです。
多くの人はこれらの時間帯には働いていないので、送られてくるメールの量も少ないからです。
しかし産業によっても違いがありますので、テストをする時にはそれにも留意してください。要は、受信者がほかのことに煩わされていない時間帯を見つけることです。
まとめ
メール受信者を、受信ボックスとしてではなく、本当の人間として扱いましょう。彼らに、友達や家族や、同僚がするように話しかけるのです。価値のあるコンテンツを共有して、フィードバックから彼らをもっと知るようにすれば、電子メールがあなたのマーケティングの最強ツールであることがわかるはずです。
Originally posted on 2016年11月5日 @ 2:21 PM