商品やサービスの宣伝を行うためにセールスレターを書くときには顧客の興味を獲得する視点が欠かせません。ただ漫然と書いてしまっても誰も読んでくれない可能性があるでしょう。
しっかりと顧客の興味を引いて最後まで読んでもらえるように書けてようやく機能を発揮するものであると理解しておきましょう。実際の書き方として理解しておくと良い基本原則があります。
クエストフォーミュラと呼ばれる基本原則を念頭に置いた上で書き始めてみると、効果的な文章を書くのに苦労してきた人も魅力を訴えかけられるようになるでしょう。
クエストフォーミュラは基本的には5つの要素によって構成されています。Qualify、Understand、Educate、Stimulate、Transitionの5つの要素を適切に顧客に伝えることで魅力を発揮するのが基本原則です。その詳細について個々に理解していきましょう。
Qualify絞り込む
Qualifyとは英語として適任であるという意味があります。顧客が抱えている問題に対して解決策を提案しますという意味合いがあるのがQualifyであり、文章を書く上での導入部分に相当します。
セールスを行う商品やサービスについて冷静な分析を行い、どのような問題を解決するのに利用できるものかを予め考えることが欠かせません。その問題の一つあるいはいくつかをピックアップして、文章の冒頭で問題提起を行いましょう。
そして、その問題に対して解決する方法があるという文調で書き始めるのが基本となります。すると、顧客が少しでも悩みを抱えていて、提起されている問題と関わり合いがある場合には、より具体的な情報提供を求めるようになるでしょう。本文をしっかりと読み進めていってもらうための動機付けになるのがこの部分です
Understand共感する
Understandは理解や共感を意味する言葉であり、Qualifyに続いて行われるものです。問題提起を行っても、それがあくまで一般的な事象であってただ客観的な視点から文章が書かれていたのでは飽きられてしまうのが常であると知っておきましょう。
問題提起を行った上で、さらに顧客に文章を読み進めてもらうために必要になるのが共感を示すことです。顧客が悩んでいる問題について、理解を示して同じように苦労してきたことを示す事例を提示するのがこの部分になります。自分の実体験を記載しても、既に商品やサービスを利用してきた顧客から寄せられた悩みのコメントでも良いでしょう。実際にその問題に対して共感を示している人がいて、それを話題にあげている文章であると伝えるのが大切になります。
Educate啓発する
続いて行うのがEducateであり、顧客の教育を行うのが目的となります。基本的に新しい商品やサービスの魅力を伝える上では、顧客がその内容について知らないのを前提にしなければなりません。新しいコンセプトに基づく商品やサービスだからこそ販路を拡大するためにセールスを行わなければならないのが実情でしょう。
その際に商品やサービスの何が新しくて、どのようなメリットがあるのかということを伝える必要があります。従来行われてきた問題解決方法があるのなら、それとの比較を行ってメリットを伝えるのが効果的です。科学的な根拠や統計的なデータがある場合にはそれをわかりやすく示すのも魅力を訴えかけるのに大切な視点となります。商品やサービスの魅力を根拠をもって伝えるのがEducateの重要な点であると理解しておきましょう。
Stimulate興奮させる
客観的な根拠に基づいて商品やサービスの重要性を伝えることができたら、それを拡張していくことが必要になります。Stimulateは刺激を意味する言葉であり、Educateによって与えた知識を刺激して拡張していくのが目的となる部分です。今までとの違いを明らかにしてメリットを伝えてきている流れをくんで、具体的にどのような変化をもたらせるのかを伝えるのがStimulateの中心的な役割となります。
効果が高いとうたっていても、実際にどうなるのかが想像できない場合も少なくありません。冒頭で提起された問題を本当に解決できるのかが顧客にとって最も興味関心のある点であり、それを具体的に想像できるように情報を与えましょう。実際に商品やサービスを利用した人の声が有用な情報源となります。事例を持って示すことで客観性もあり、商品やサービスの魅力を利用したいという気持ちを膨らませるのに効果的な方法です。
Transition変化させる
そして、最後に必要になるのがTransitionです。移行するという意味を持つTransitionは商品やサービスの魅力を伝える段階から、実際の利用に向けて方向性を転換する部分になります。顧客に対して実際の購入行動を促すのがTransitionの役割であり、商品やサービスの利用方法について明記するのが基本です。セールスレターの末尾にあたるのがTransitionであり、購入をするための方法を記載しましょう。
インターネット記事の場合には直接購入ページにリンクを行っておくのが簡便で効果的な方法です。書面でのセールスの場合には電話やFAX、メールの連絡先や購入申込みのURLを記載することになるでしょう。返信はがきや返信用封筒とフォーマットを同封しておくのも良い方法です。少しでも購入したいという意欲が湧いてきた顧客に、障害なく購入に至らせるように工夫を行うのが重要な点として理解しておきましょう。
まとめ
セールスレターの書き方として基本になるクエストフォーミュラの5つの要素を押さえておくと無難でありながらも効果的な文章を書けるようになります。商品やサービスの特徴に応じてよく分析を行って書き始めるのは欠かせない点ですが、その最低条件をクリアした上で5つの要素を順々に盛り込んでいけば顧客の興味を引いて購入にまで至らせられる可能性が高まります。基本的なセールスライティングの方法として実践してみると良いでしょう。
Originally posted on 2016年8月24日 @ 2:32 PM