自分のサイトを運営している方はもうお気づきでしょうが、ウェブでの著作権などの侵害には十分気をつけなければなりません。
ウェブサイトは、画像などの視覚コンテンツが入ると、文章だけの時と比べて格段に印象が変わってきます。たとえばLinkedInのようなビジネスソーシャルメディアでも、写真入りの登録者と、写真なしの名前だけの登録者とでは、アクセス数が大幅に違ってくると言われています。
そこで効果的に客寄せをして、オンラインビジネスを繁栄させるために、オンラインショップサイトに画像を入れることを考えます。誰もがカメラマンのような写真を撮る技術を持ち合わせていて時間もあれば、自分で撮った写真を使えるのですが、多くはオンラインの画像提供サイトに頼ることになるでしょう。
1.フリー素材を正しく認識しよう
多種ある画像の中で、オンラインショップやブログに広範に使われてるのがフリー素材です。フリー素材というと、「誰でも自由に使っていいんだ!」と思われがちですが、実はそうではありません。ここでうっかり認識を誤ると、とんだトラブルに巻き込まれることがあるので、以下のことに十分注意するようにしてください。
それぞれの画像提供サイトには「使用規約」が記されています。規約はサイトごとに異なります。あるサイトで許されていることが、他のサイトでは違反と見なされることもあります。
まず画像の使用目的には「商用」と「個人用」とがあります。「商用利用禁止」とあるものは、企業のサイトや出版物には利用できません。個人使用だから大丈夫だと思っていても、アフィリエイトとつながっていると、広告収入有の「商用」に利用したと見なされることもあります。
使用法違反と判断されると、不当に得た利益を返すよう請求されることもありますので、十分気をつけてください。
2.人物入り画像の肖像権と著作権
写真画像に人物が写っている場合には、特別な配慮が必要です。人物像には肖像権があるからです。肖像権とは、自分の肖像を勝手に撮影されたり、加工されたり、公開されないという権利です。これを侵害すると、使用の差し止めや損害賠償を請求がされることがあります。
一般的に、写っている人のイメージを損なうような使い方は、どのサイトでも禁止しています。写っている人に撮影者が許可を取っていないものも問題です。「モデルリリース取得済み」と記されている人物写真のみを使用しましょう。
画像に写っている人の肖像権のほかに、画像を撮った人には著作権があります。たとえば著作権者が商用利用を許可していない場合にそれを商用に使うと、著作権の侵害となります。
人物入りの画像には、著作権と肖像権の両方があり、どちらか一つに違反しても問題になります。
3.画像の使い方
次に画像の使い方です。画像を使う際、「拡大・縮小」、「画像の部分的な切り抜き」、「縦横の比重の変更」、「色調を変える」、「文字を入れる」、「自作のデザインに組み込む」などの加工を加えることがあります。これらの中で何が許されていて何が禁止なのかは、使用前にサイトの規約を読んで確かめておきましょう。
画像提供サイトには、プロのクリエイターの作品や、印刷物から採られた画像を集めたもの、アマチュアの写真愛好家が写真を投稿しているものなど色々あります。自分の撮った写真をオンラインで使ってほしいと投稿している人でも、自分の作品を不本意に改造されることは好まないでしょう。規約を守ることは、制作者に敬意を払うことです。
4.その他の規約
画像提供サイトには、その他にも規約があるところがあります。たとえば、利用の際のコンセプトをサイトや著作権者、肖像権者に問い合わせる必要がある場合や、商用利用で使用サイトをクライアントに報告する義務のある場合などがあります。多少でも不明な点は連絡して、事前に確認しておくのが賢い方法です。
5.インターネットのためのルール
インターネットのための新しい著作権ルールの普及を目指す、国際非営利組織のプロジェクトに、CCライセンス(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)があります。CCライセンスには「作品のクレジット表示」、「営利目的不可」、「画像の改変不可」、「著作者のクレジット表記で商用可」、「クレジット表記前提、非営利利用に限り改変可」、「クレジット表記前提、非営利利用に限り利用可能だが改変は不可」の6種類があります。
CCライセンスを利用することで、画像提供者は著作権を保持しつつ、作品を流通させることができ、使用者はライセンス条件の枠内でそれを利用することができます。詳細は、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(https://creativecommons.jp/)をご参照ください。
以上のように、画像提供サイトの利用規約をきちんと読んで守ることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
6.おまけ-自作写真を載せる時に外せない注意
サイト運営者自身がデジカメやスマホで撮影した写真をネット上に掲載しようとする場合には、デジカメやスマホのGPS設定をOFFにしてから撮影することをお勧めします。そうしないで撮った画像のデータを開くと、その人の位置情報や行動記録がばれてしまうからです。
OFFにせずに撮った写真は、Exifデータを削除するツールで削除した後、アップしましょう。
また撮った写真の中に、人物を特定できるような被写体が写っている場合には、本人の同意を得るか、または掲載時に削除要請に対応する旨の文章を入れるなどの対応をしておくといいでしょう。
公けの場での撮影では、撮影していることが周囲にわかるようにしておくことや、建物内の撮影では、事前に撮影禁止でないことを確かめておくことも大切です。
トラブルフリーのウェブサイトで、楽しくeコマースを展開しましょう。
Originally posted on 2016年9月21日 @ 4:56 PM