以下は海外のメールマーケティング専門家が考える、2017年のメールマーケティングで注目すべき8つのトレンドです。この中から何らかのインスピレーションを得られたなら、あなたのビジネスにもぜひ取り入れてみてください。
1.コンテクストに基づいたコミュニケーションが増える
「コンテクスト」とは、日本語でいう「文脈」や「前後関係」のことです。
2017年のメールマーケティングでは、このコンテクストに基づいたeメールがより増えるだろうと予想されています。それだけでなく、それらはリアルタイムで行われるのだそうです。
これらのコンテクストは、リアルタイムで変化する様々なソースから導き出されるもので、
- デバイスのタイプ
- オペレーションシステム
- 地理的位置
- 天候
- 政治状況
- スポーツイベント
- Twitter のハッシュタグ・コメント
- 在庫状況
などがあります。
たとえばユーザがNBAのニューヨーク・ニックスのファンで、試合観戦中のハーフタイムの時間にメールをチェックしていることが分かっていれば、ユーザがメールをチェックする時間に、試合の最新概要をリアルタイムでニュースレターに含めて送ることができるというわけです。
ユーザの現在の環境やコンテキストを利用するだけで、すでにパーソナル化されてきたメールを、よりユーザへの関連性を高めたものにすることができます。それを図で示すとこのようになります。
2.チャットボット(Chatbot)がメールを補足する
チャットボットがeコマースにも登場してきます。いや、すでに登場しています。
チャットボットとは、会話の延長上に買い物を誘導する、チャットベースのインターフェースのことです。買い物をするためには、私たちは自分で欲しい商品を探し出さなければなりませんが、チャットベースのインターフェースでは、たとえば「3歳児用の赤い長靴が欲しい」というように欲しいものを伝えると、オペレーターが実際の品物を探してきてくれるのです。
米国で実際に稼働しているOperatorというサービス利用者の口コミをご覧ください。(http://akane.website/2016/03/08/operator/)
ところで「メールマーケティングで、チャットボットはメールを乗り越えるのか」と言う質問への答えは否です。チャットボットは、eコマースサイトのセールスフィルタを通したブラウジングに取って代わるでしょうが、実際の取引メールは変わることはないでしょう。
現在多くの企業で、ウェブサイト上で顧客のとる行動が、自動化された電子メールを誘引していますが、将来はチャットボットにも同じことが期待できそうです。確認メールや放棄されたショッピングカートについてのメールの送信、ユーザのニュースレターへの申し込み、チャットから引き出したデータを含めたニュースレターの送信など、自動化した作業を行わせることが可能になるでしょう。
このようなチャットボットとメールの統合が、マーケティングクラウドを補完するようになるでしょう。
3.アイ・トラッキング、あなたの目に話をさせよう!
送信されるメール数は、世界中で毎年増え続けています。メールの平均開封率も上がっています。しかし、平均クリック率はそれと同じペースでは伸びていません。マーケティング担当者は常に、クリック率を上げる新しいソリューションを追い求めています。
アイ・トラッキング(視標追跡)技術は、メールマーケティングに現れた最新トレンドの一つです。アイ・トラッキングとは、眼球の反射光をとらえる装置で人間の視線の動きを追うことです。これまで主にウェブサイトをテストするのに使われてきましたが、今ではメールの独創性をテストするのに使われるようになっています。ハードウェアの価格の値下がりで、高速で安価なメールのテストが今では可能になっています。
アイ・トラッキングでは、実際のエンドユーザを含めたグループテストの結果を生成します。
ユーザの心理を把握する方法には、人の目とマウスの動きに80%以上の相関関係があることに基づいてマウスの動きを追跡し、そのログから数字データの強弱を色で示したヒートマップもあります。ヒートマップは多くクリックされているところの色が濃く表示されて、ユーザーの思考を可視化します。
しかしアイ・トラッキングには、ヒートマップよりも正確に本物の人間の感情を表現できる利点があります。アイ・トラッキングテストの結果を使ってメールを修正すると、CTA(Call To Action、訪問者にとってもらいたい行動を誘導する行動喚起)の向上を図ることができます。
メールをパーソナル化し、よいコンテンツを含めても期待通りの効果が上がらない時には、サイトのデザインを見なおす必要があるのかもしれません。アイ・トラッキングはこれを助けてくれる効果的な技術だと言えます。
4.より会話のあるeコマース
メッセンジャーを介した顧客とブランド間の会話が、ますます主流になってきています。中国で2016年の第2四半期にWeChat を使った人が8億人いたと記録されているほか、FacebookメッセンジャーやWhatsApp、TelegramやSlackも世界中で使われています。
この会話志向は、パーソナル化されたメールにも自然に入ってきています。これは2012年にオバマ大統領のキャンペーン・ディレクターが行った「バラク・オバマ:やあ」というシンプルなキャンペーンメールと同じことなのです。
リアルで正直に、あまり堅苦しくならないで、いつもあなたが話しているように書きましょう。そして顧客が返答しやすい質問を投げかけましょう。これは読み手に前向きな印象を与えます。気楽な語りかけは、あなたやブランドを顧客に身近に感じさせます。そうして個人的な関係が築かれていくのです。
参考記事:
http://resources.expertsender.com/8-email-marketing-trends-for-2017/
Originally posted on 2016年10月30日 @ 12:46 PM