前回は、文章の書き方について説明しましたが、そのなかで語調に関して軽く触れたことは、まだ記憶に新しいかと思います。
今回は、語調に関して補足説明をするとともに、記事の最後を締める「まとめ」と「最後」の項目について説明をしていきます。
たかだた語調に、なぜそこまで力を籠める必要があるのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。その理由については、本文にて説明していますので、しっかりと理解を深めていきましょう。
語調とは
1 話すときの言葉の調子。言葉つき。「語調を和らげる」
2 話すときの声の高さの変動。イントネーション。また、アクセント。引用元:コトバンク
印象を左右する語調
前回の説明では、
- 『語調は文章のリズムを作る役目をする』ことと
- 『文章全体をまとめる役割がある』ことについてお伝えしました。
しかし、語調というのは、「です・ます」「た・だ」といった語尾を指すだけではありません。
小学生時代の国語の授業で「口語」「文語」について学びましたが、文章に書く言葉には、一般に話し言葉と言われる口語調と、話し言葉ではほぼ使わない文語調というものがあります。
口語調とは、普段私たちが会話の中で使う言葉をそのまま文章に起こしたものです。
たとえば、
■□ 文語調
本稿冒頭で述べた「語調に関して軽く触れたことは、まだ記憶に新しいかと思います。」という文面。これは、文語調です。
■□ 口語調
これを口語調に直すと、「語調について軽く触れましたが、皆さん覚えていますか?」と表現できます。
会話のなかでわざわざ文語調のような堅苦しい表現をすることは、ほとんどありませんよね。むしろ、このようなかしこまった表現をされると、会話もしづらく、心の距離感が遠い印象を与えます。
一方、口語調だと柔らかい印象を与え、親しみやすさを感じます。
このように、文語調にするか口語調にするかだけでも、文章から受ける印象が大きく変わってきます。
それが、そのコンテンツやブログ全体の印象へと繋がっていきます。
そう考えると、やはり口語調のほうが読者ウケが良さそうだと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。ですが、なんでもかんでも口語調にまとめればいいというものではありません。
たとえば、ニュースコンテンツのような情報系ブログを開設したい場合。
伝える情報は、しっかりとした根拠ある情報であるにもかかわらず、口語調で伝えてしまうと、信憑性が低く感じられてしまいます。
また、アミューズメントなどの趣味系ブログで、文語調で遠回しに表現されると、面白さや楽しさがストレートに伝わりにくいということが起きてしまいます。
このように、どんな情報を扱うのかによって、使う語調にも注意が必要です。
- 堅めの情報を伝える場合は、文語調。
- そうでない場合は、基本は口語調と使い分けるのが望ましいでしょう。
というのも、最近は読書離れ・活字離れしているユーザーも多く、SNSやメールなどのITツールの発達によって、文語調に慣れていない人が大勢います。
そうした人たちにとって、馴染みやすい語調は口語。
文語に馴染み深い人たちは、読書習慣がある人や新聞を読み慣れているような人たちです。
ブログで扱うテーマと、読者の生活スタイルを考えれば、どちらに統一すべきかが見えてきやすいでしょう。
読者の生活スタイルについては、ターゲットを設定する際に考えておくと、どんな語調で書けばユーザーに伝わりやすいのかが判断しやすいはずです。
堅い文章を柔らかく仕上げるには最後に疑問形で止める
文語調でブログを書く場合に注意したいのが、文章を堅くしすぎないということ。
本文を冒頭から見ていただくと、全体的に文語調でまとまっています。
しかし、それほど堅苦しいイメージがないのではないでしょうか?
それは、語尾にところどころ疑問形が含まれているからです。
先ほども述べましたが、ゆとりのない文章に慣れていない読者は沢山います。それは、本記事をお読みの読者の方のなかにも、当てはまる方がいらっしゃることでしょう。
そうしたことを踏まえ、尚且つ説得力のある内容にまとめるためには、口語調よりも文語調。その一方で、馴染みやすい文章にまとめる必要があるからです。
そこで、堅くなりがちな文章を、柔らかく読みやすくするコツとして、
“最後は疑問形で締める”
という方法を用いています。
疑問形で文章を閉じることによって、口語的な印象を与えることができるのです。
しかも、相手に対し「あなたに話しかけています」というメッセージをほのめかすことにもなります。
ブログを書くというのは、単に自分が伝えたいことを一方的に情報発信するだけではなく、それに対して必ず受け手(読者)がいます。
画面の向こうの相手に伝えることが目的でもあるのですから、常に読者を意識して記事を書くことが大切です。
口語はきれいで品のある言葉で書く
口語は話し言葉であると述べましたが、皆さんは普段どんな言葉を使っているでしょうか?
「マジ」「ヤバい」「スゴイ」いろいろな言葉があるでしょうけれど、おおむね10代~40代くらいまでの方は、これらの言葉で一日を過ごしていることが多いといわれています。
実際、会社でも「マジですか?」「それヤバくないですか?」「すごいですね」といった言葉をよく耳にします。また、街中で学生が集まって楽しそうに話しているのを耳に挟んでも、これらのフレーズが頻繁に出てきます。
ブログを口語で書くとしても、さすがにこうした言葉が頻繁に出るようでは、読者には何のことだかわかりません。
「マジ」や「ヤバい」、「すごい」という表現は、対象となるものがお互いの共通認識として存在しているから成り立つ言葉。
読み手と書き手双方に、同じ認識がないと成り立ちません。
そういう意味でいうと、口語調で書くということは、案外難しいものです。
普段自分が使っている言葉で書いても、それが確実に相手に伝わるかという客観的視点が欠けていると、読者は書き手が何を言いたいのかわかりません。そうなると、完全に作者の独りよがりのコンテンツとなってしまいます。
文語調でもそうですが、特に口語調で書く場合は、素の自分がそのまま文面に表れてしまいます。ですから、何となくという感覚のみで使っていた言葉が、意味を間違って使っていることもよくあること。
前回『文章は小学校高学年が読んで理解できるように書く』ことについて説明しましたが、それは口語調で文章を書いたときほど、より注意する必要があるのです。
普段の自分が使っている言葉で書くのなら、品のあるきれいな言葉にすること。
それを意識するだけでも、随分と読み手にとって理解しやすい文章に仕上げることができます。
そのためには、語彙を増やすことも大切。
語彙とは、
ある範囲の、あるいは広く一言語についての、語の総体。「農業―」「日本語の―」「基本―」。また書名などで、用語集。 「日本民俗―」
たとえば、商品紹介するブログを立ち上げ、口語調で「すごいんです」と伝えるにしても、何がどうスゴイのかを説明できなければ、読者に対する説得力がありません。
ですが、ここで
「〇〇が××なので□□なんです。すごいと思いませんか?」と
書かれていれば、読者は「なるほどな!それはすごい!」と感じてくれることでしょう。
他にも、「〇〇がヤバい!」という文章も、タイトルなら「何がヤバいんだろう?」とキャッチーなものとして受け取ることができます。
ところが、これが本文中で出てきたうえに、それで話題が終わってしまうようならどうでしょうか?
多くの読者は「だから何がヤバいの?」と消化不良な気分になってしまうはず。
普段何気なく使っている言葉でも、ちょっとの工夫で言い換えができます。
気の知れた友人同士で話をしているならまだしも、インターネットユーザーを含め、お互いへの理解が少ない相手へは、できるだけ気持ちや考えが伝わりやすいよう言葉を尽くす。
この心がけ次第で、語彙は確実に増えていきます。
口語調でブログを書くときには、どんな言い換えができるかな?わかりやすい類語はないかな?と配慮しましょう。
そうすることにより、読者にとって魅力あるコンテンツをつくることができるはずです。
「まとめ」と「最後」の使い方
どんなブログやマガジン系コンテンツを見ていても、最後に必ず「まとめ」や「最後」といった見出しが出てきます。
あえて「まとめ」や「最後」といった表記をせずとも、本文から離した位置にひと固まりとなった文章があり、その記事を締めくくっていることもあります。
なぜ、コンテンツには必ずと言っていいほど、「まとめ」や「最後」といった項目が存在するのか。
それは、記事全体に対して、雑な印象を与えないためです。言い換えれば、記事全体を引き締める効果を持たせるため。
たとえば、「まとめ」や「最後」の締めないとどうなるか。
面白いことに、これらが一切ない場合、頭に入った情報が整理されず、抜けやすくなります。
例を挙げるとするなら、新聞社が運営しているニュースサイトでしょう。
事実を淡々と伝えることが目的のニュースサイトでは、その事件が事案に関する締めになるものがありません。
なぜなら、そこから何かを学び得る・理解するというよりも、事実を確認するという点に特化しているからです。
もちろん、読者の中にはその情報から何かを理解したり、学びを得る人もいますが、それは読み手が自分に必要だと判断して、数ある事実から取捨選択した結果に過ぎません。
ところが、事実伝達のニュースサイトとは違う、ブログを含めた一般的なWEBサイトの場合、検索者が求めているのは
事実確認のさらに一歩奥にあります。
WEBサイトに掲載された情報から何かを得て、自分の生活や思考、行動などに役立てたい。それが、検索者が一般的なWEBサイトやコンテンツに求める真のニーズです。
ですから、記憶に留めてもらわなくては意味がないのです。
そのため、ほとんどのWEBサイトでは「まとめ」や「最後」といった見出しを使って、読者の脳裏に焼き付けてもらうような工夫をしてあるのです。
とはいえ、そこまで具体的な意図をもって使っている運営者や作成者は、そう多くはありません。
ただ単に、ないと締まりが悪いと感じるからという理由で使う人もたくさんいます。
私たちは、子どものころから作文を書くと、最後に締めの言葉を書いてきました。本を読んでも、最後に起承転結の“結”があるのを当然のように受け入れてきています。
そうして積み重ねられた無意識の価値観が、「まとめ」や「最後」の項目がないと文章全体が散らかって感じる、その要因になっているのです。
あえて「まとめ」と「最後」を書く
「まとめ」と「最後」の締めの目次を付けたり、付けなかったりと運営者や作成者の方針によって異なります。
ですが、書いて違和感がないのであれば、あえてきちんと「まとめ」や「最後」という見出しを使うことをおすすめします。これまでに何度もお話ししていますが、読者は作成者がどれだけ頑張って書いた記事であろうと、流し読みが基本です。
パッと一目見て、どこに何が書いてあるのかがわからないものに時間をかけるのは、余程のときだけ。
そういったユーザーの傾向を考えれば、あえて「まとめ」や「最後」の文言を入れることによって、その情報がどんな内容で書かれていたのかがわかりやすくなります。
一般的に、本文にはリード文といわれる読み手を引き込むための冒頭文を使います。
ここで、読者が求めていることを示すことができれば、読者は次の見出しへと進んでくれるからです。
しかし、なかにはそれすら目を通さない人もいます。
その場合、釣り効果を発揮してくれるのは、見出しに書かれた文章です。
そして最後に「まとめ」や「最後」といったものがあれば、そこを読めばだいたいの記事の内容を把握することができます。
そこで、興味が引かれれば、関心ある項目に目を通してくれます。
このことから考えると、見出しとして「まとめ」や「最後」というワードを使うことは、読者を引き付ける要素にもなるのです。
全体の要点を表すときは「まとめ」
記事の最後に使われることの多い「まとめ」項目。
ですが、「まとめ」は何も記事の最後に使うばかりが、その使用方法ではありません。
前回、見出しについて説明しましたが、その見出しの中でも使うことができる便利アイテムでもあるのです。
たとえば、一つの見出しの中で、本文の要点をまとめる場合、「〇〇のまとめ」といった形で使うことができます。
訴求効果を狙うときは「最後」
記事最後に使用する「最後」は、その記事を締めくくるときに、本文の補足として使ったり、本文の訴求力を上げるために使用できます。
まとめ
前回の記事の補足と、記事の締めをくくる項目について、まとめておきましょう。
- 全体のリズムを作るもの
- 口語と文語に分けられる
- ブログのイメージに合わせた語調にする
- 文語調のときは、語尾を疑問形で止めると柔らかい印象になる
- 口語調のときは、客観的な表現を心がける
- まとめと最後は、極力使用する
- まとめや最後には、リード文と同じ効果がある
- まとめは、記事本文中に使ってもいい
- 最後は、訴求力アップに使える
Originally posted on 2018年4月13日 @ 11:12 AM