コピーライティングが売り上げに影響する
毎年、様々なメーカーから販売される新商品は、売り上げという数字によって結果が出てしまいます。もちろん商品そのものの性能や魅力が売り上げに一番関係してくる主な要因ですが、今日のマーケティング手法では、別の要素、つまりキャッチコピーやコピーライティングによる文章力の差が、売り上げや顧客の獲得数に無視できないほどの影響力を与えています。
例えば、企業のイメージアップという点では、短いフレーズでそのイメージを魅力的に作り上げ、見込み客の獲得や商品の販売増という点では、魅力や機能をダイレクトに紹介することでその増数に貢献しています。
優れたキャッチコピーで売り上げに差が出る
つまり、同業他社で似たような商品を販売した場合、優れたキャッチコピーやDM(ダイレクトメール)の文章力の差によって、その売り上げに大きな差が生じてしまうということです。この簡単な事実だけでも、これらの手法がどれだけ有効的であるか認識できるはずです。
キャッチコピーとコピーライティングの違い
また、よく二つは一緒のように扱われていますが、実は微妙に異なります。使い方としては、キャッチコピーの方は印象に残る短い文章としてCMや雑誌広告などで使われ、企業や商品のイメージを読者や視聴者に印象付ける為に使用されています。
一方で、コピーライティングの方は、長文としてwebセールス用のDMやメールマガジンなどで活用され、商品の販売増や顧客の獲得数増加の為に利用されています。
さらに、文章の構成としては、前者が短い文章だけで構成されているのに対して、後者の方は見出し(タイトル)、本文、締め(クロージング)の3つの部分で構成されています。
もちろん前者と後者とでは使われる目的もそれぞれ異なっています。前者の方は、印象的な文でターゲットを引き付けることが一番の目的で、後者の方は、商品やサービスの魅力をターゲットに深く理解してもらうことが一番の目的となります。
ですから、前者においても後者においても文章内容はその目的に適したものを生み出さなければなりません。もっといえば、企業から依頼されたプロのコピーライターは競合他社を出し抜くほどターゲットを引き付ける文章を、または競合他者には真似できないほど印象的な文章を生み出すことを仕事として要求されています。
AIDMA(アイドマ)の法則
加えて、マーケティング手法の一環として、これらの手法は有効的な手段として様々な法則が編み出されており、多くの企業はこれらの法則をマーケティングビジネスのマニュアル手法として広く活用しています。その中でも一番有名な法則が『AIDMA(アイドマ)の法則』で、現在では、このAIDMAの法則がこの分野におけるスタンダードとされています。
AIDMAの法則はATTENTION(注意喚起)、INTEREST(問題提起と解決策の提示)、DESIRE(欲求の刺激)、MEMORY(動機づけ)、ACTION(行動)の5つの要素で構成され、これら5つの要素の頭文字を順番に並べてAIDMAの法則と呼んでいます。
また、このアルファベットの順番はそのまま文章の構成順にもなっており、
まず、ATTENTION(注意喚起)となる文章の見出しで読者を引き付け、
次に、本文中のINTEREST(問題提起と解決策の提示)で商品使用によるメリットとその保証を約束、
その後、DESIRE(欲求の刺激)で人の根源的な部分を刺激して購買意欲をさらに増幅し、
MEMORY(動機づけ)で第三者の評価など他人の行動を提示して、社会的証明の原理に基づいた行動に顧客を誘導していきます。
そして、最後に商品購入手続きの行動をとってもらう為に商品の希少性やお手軽感、プレミアム感などを醸し出して、購入というACTION(行動)へと顧客をうまく導いていきます。
ちなみにDESIRE(欲求の刺激)の部分で出てきた『社会的証明の原理』とは、多数の他人の行動に影響されやすい度合いのことです。
その同じ行動をとる人の数が多ければ多いほど、影響を受けやすくなり、自らがある場面において判断に迷った時に、それらの大多数の人間と同じような行動をとってしまう現象として、人間社会の多くの場面で見かけることができます。
このAIDMAの法則はこの分野における基本中の基本ですが、この基本法則を知っているだけでも文章構成力がかなり良くなり、また、顧客の反応など結果についても良い方向へと繋げることができます。なので、さらにAIDMAの法則を発展させたAISASやAISEASなどの法則もありますが、初心者はまずAIDMAの法則を把握しておくだけで十分でしょう。
『滑り台効果』の法則
それでもAIDMAの法則がちょっと難しいと感じた場合は、『滑り台効果』の法則だけでも覚えておくと良いかもしれません。この滑り台効果の法則は、最初の一文から次の一文へと文章を繋げていき、気づかないうちに文のタイトルから本文の終わりまで、滑り台を滑るように読み進められている状態を指してこう呼んでいます。この法則ならば、理解しやすい概念として覚えやすいですし、簡単に忘れないはずです。
「80 VS 20」の法則
最後に使える法則としてもう一つご紹介するのが「80 VS 20」の法則です。この法則では売り上げ全体における8割の売り上げは、2割のユーザーの購買力によってもたらされているという事実に基づいています。その為、ターゲットを想定する場合は、この2割の見込み客にターゲットを絞り込むことで、割と簡単に利益を見込むことができます。
重要な点としては、なぜ必要としているのか、安心して購入できる条件はどのようなものか、そして、それをどのように伝えるのかといった点に考慮するとうまくいくはずです。
まとめ
このようにコピーライティングについて、ざっと説明してきましたが、いきなり上達するのは難しいですから、まずは一文から練習していくことが重要で、少しずつ短文を作成していきましょう。
そして、ある程度、文章を書くことに慣れてきたら、滑り台効果の法則に基づいて小さな文章を自然な形で繋げていき、それにも慣れてきたらAIDMAの法則に基づいた文章を書くようにすると、ライティング技術をうまく上達させていくことができるでしょう。
Originally posted on 2016年7月25日 @ 10:50 AM