毎日土曜になると孤独になる

毎日が土曜日に潜む孤独

「毎日が土曜日になったら最高だろう」
そう思って、僕はインターネットビジネスを始めました。
そして今、本当にその暮らしを手にしています。

朝は好きな時間に起き、働くのはほんの1時間ほど。
あとはコーヒーを飲みながらベランダに出て、風を感じたり、音楽を聴いたりする。
そんな毎日は確かに心を軽くし、自由を味わわせてくれます。

けれど、その自由の中に、思わぬ“孤独”が潜んでいました。


誰にも説明できない仕事

まず困ったのは、人から職業を聞かれたときです。
「インターネットでお金を稼いでいます」と素直に言うと、たいてい怪しい目で見られる。
だからいつも「IT系です」と答えていました。

けれど、実際にはひとりでひっそりやっているだけ。
華やかなオフィスもなければ、同僚もいない。
その曖昧な答えが、自分の立場の孤独さを余計に感じさせました。


世間とズレていく時間

もうひとつは、時間の感覚です。
世の中の多くの人が月曜から金曜まで働いている。
でも僕は、夜にアイデアが浮かべばそのまま朝まで作業し、昼過ぎに目を覚ますこともあります。

昼夜逆転なんて当たり前。
配達ひとつ受け取るのにも生活リズムが合わない。
今でこそ「置き配」があるので助かりますが、当時はその小さな不便さが、「自分は世間から外れている」という孤独感につながっていました。


世捨て人のように感じた時期

自由を手に入れたはずなのに、ふとした瞬間に「自分は世捨て人なのかもしれない」と思うことがありました。
友人や家族が「忙しい」「疲れた」と言っているときに、僕だけがぽっかり時間を持て余している。
その差が、自分だけ別の世界にいるような感覚を生んだのです。


孤独を“選べる自由”へ

けれど、あるとき気づきました。
孤独は“避けられないもの”ではなく、“選べるもの”だと。

僕は、誰とも合わせずに自分のペースで生きられる。
必要になったときだけ、人と関わればいい。
無理にスケジュールを詰め込む必要もなければ、気の合わない人に合わせる必要もない。

そう考え方を変えた瞬間、孤独は不安ではなく、むしろ自由の証のように思えました。
静けさの中にこそ、自分と向き合える安心感がある。
そして、本当に大切な人との関係だけを育てていける。


孤独はもう“敵”ではない

「毎日が土曜日」という暮らしは、たしかに夢のようです。
けれど、その中には孤独という現実もある。

ただ、その孤独さえも「自由の一部」として受け入れられたとき、
僕は初めて、心から「毎日が土曜日で良かった」と思えるようになりました。